小説 R・O・H(レジスタンスオブホスト)14
『グランドホテルの中に潜入できたはいいが、どうする?』
山田隆と明記されたIDカードとネームタグを確認し、それを身に付けて掃除夫として振舞っている龍也には、多少のあせりがあった。
大通り公園で、やつらの不正や賄賂、便宜を図っている現場を抑えて、彼らをメディアや警察、検察に告発するプランが、大幅に下方修正されているのではないかという実感が、龍也に焦燥感を抱かせていた。
「腕の一本でも折れば、俺の気も済んだのにな・・・」
ホテルの監視カメラの死角を意識しながら、龍也は汚れてもいないホテルの床を、山田隆として磨きつづけるのであった。
「フレキシブルアーマーの稼動データもあるし、ここら変が潮時か・・・・・」
腕時計の針を確認する。午前12時を過ぎたあたりであった。
「東館と西館と北館のどこにいるんだ。まさか受付で聞くわけにもいかないしな・・・」
付け髭と黒ぶち眼鏡は、龍也の茶髪に不似合いな組み合わせである。
「ススキノにいけば、情報は手に入るか。何のためにホスト店を経営してるんだよ。あ、キャバクラのほうが良かったかな・・・」
ホテルの廊下は、龍也以外、人間の息吹が感じられないほど静まり返っていた。
廊下の蛍光灯は、永遠に、廊下を照らしつづけているのであろうか?
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