イラスト/小日向そら
主人公:左(リドック)右(ライン) ヒロイン:中央(セシル)
小説 戦いの向こう側へ 前回までのあらすじ
リドック率いる第49機甲戦車部隊は、2手に分散し、扇状にフォーメーションを組んで、敵の攻撃に備えた。
敵のロボット兵士たちは、木と木の間を高速で移動しながら基地内部に銃弾を浴びせる形であったため、リドックたちの目には進入口を発見できずに攻めあぐねているように見えた。
「人間だけで構成された敵陸戦部隊は、我が基地周辺に侵入してきているという情報は入ったか?」
「まだです。無線機には何も。それより攻撃はいいのですか?」
ライナードは若干、肩の力が抜けたようだった。操縦だけでなく、計器や操縦の反応速度に余裕が生まれているのが解った。
「連中は戦車のレールガンの射程ギリギリの所で動き回って我らを誘うような動きをしているし・・・・・まったく」
リドックは、レールガンを無闇に発砲できない自分の立場を考えて、唇をゆがませた。
『俺みたいな地位の人間は、中途半端だな。下手に出世なんかするんじゃなかった・・・』
戦場は、一時期、こう着状態に陥った。
「おい!お前どこに行く!?なぜ敵に背を向ける?」
「ハッ、ワタシ、デスカ?」
アジア連合軍の制服を着た男は、自分がいきなり後ろから声をかけられてびっくりしていた。
「お前以外に誰に話しかけているんだよ。さっさと武器をもってロボット兵士を倒しにいけよ!」
「イエ、武器ガミアタラナイノデス、武器倉庫ハドコデスカ?」
「そんなはずあるか!!事前に配給されたやつをなぜ使わん!?」
「イエネ。サン・ブック製の奴は、モウツカワナイトキメタンデスヨ。」
「・・・・・・お前、さっきからなんで片言でしゃべって・・・」
「私らは、もうあなたたちとは、敵同士になったんです。」
片言の男は、すばやく腰のナイフを抜くと、目の前にいた男の首をえぐり取った。男は声をあげる事もなく、血の池の中に自分の体を預けて動かなくなった。
「皮膚の色が似ているからね。昔からサン・ブック人とよく間違われていたっけ。よく差別もされたっけ・・・・・同じ黄色人種なのにさ・・・・」
男は、両手をあげて、大きく円を描くポーズをとった。その合図と共に、草むらの中から、何十人もの男たちが、アジア連合軍基地に足を踏み入れたのだった。

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