「リドック大尉・・・・じゃなかった、リドック少佐だっけ・・・?」
「ああ、今日からな。なんか実感ないけど。」
「任命式は午前九時からだよね?ならまだここにいてもいいんだ?」
「そうだな。まだいるさ。」
「士官学校も出ていないのに、24歳で少佐にまで出世できるなんて、なんか不思議だよね。軍隊も変わってきたのかな?」
シースは、鏡の前で金髪のロングヘアーを紐でまとめていた。リドックはその後姿を眺めて、ずっとこんな風に彼女を眺めていられたらどんなに幸福。なのかをひとり考えていた。
『金髪で、胸が大きくて、太もももボリュームがあって、色白で、俺にとって理想の女性だよな。』
昨晩の情事後にもかかわらず、リドックは、体中から湧き上がる欲情の感覚を必死で振り払おうとしていた。
「どうかした?」
リドックの熱い視線を感じ、シースは振り返った。
「いや何ね、君が生きていてくれて良かったなって・・・・そう思ってね・・・・」
急いでリドックは制服の襟を整えた。階級章は彼の制服の肩や胸に並んでいた。
「初めて会った時は、頼りなくて男らしく見えなかったけど、こうやって制服を着ている姿は、なんだか素敵に見えるよ。」
シースは、リドックの肩にあごを乗せた。
「昔は素敵じゃなかった?」
「う・・・・ん・・・・可愛くてほっとけないタイプだったかな。」
「今は少しでも威厳が出てきたとは思わない?」
自分の顔を見て、やけに皺が多くなったとリドックは痛感した
「そう言っている間は無理ね。人を威圧する眼光がないもの。」
「鬼軍曹じゃないからな。俺は。」
「そうね。体育会系のノリはちょっと苦手なタイプでしょ?」
2人は、静かに笑いあった。
『そうだな・・・・人は愛し合っているからセックスするのであって、セックスしたから愛し合うわけじゃないと思っていたが、俺たちの場合は違うみたいだな。男は後者の考え方が多いみたいだが、少なくとも俺たちは愛が生まれたのはセックスをしたあとであった気がする。体を重ねてお互いに必要な存在となっていったのは・・・・』
「んとさ・・・」
「ん?」
「結婚しないか?」
「え?」
シースは目を大きく開けた。
「君を失いたくない。安全な場所で俺の帰りを待っててくれないか?」
「・・・・・・」
「駄目か?」
「・・・・・・・」
「今すぐ・・」
「いいよ。」
「え?」
「うん。ありがとう。ずっと、その言葉を待っていたの・・・・・・」
シースは、大粒の涙を流し、リドックの胸になだれ込んだ。
「もう私・・・・・迷わない・・・・・・・あなただけ信じているから・・・・・」
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